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学習プログラム 取材記録 取材日:2015/06/04
プログラム名 372.人と環境にやさしい「石けんづくり」(溶かして固めて簡単石けんづくり)
プログラム登録者 A0904.天然自然社Seisui
目的 ・石けんづくりを通して、自然と環境と人体についての知識を深め、探究心を育てます。
・身近な自然物を見直し、新たな発見に感動するとともに、作る楽しさを味わいます。
2015年6月、イベント「バラのあわあわ洗顔ソープ作り」を取材しました。

*ここではイベント当日の石けんづくりの過程や、私たちの暮らしと琵琶湖についてのお話、プログラム全体の流れを記しています。プログラム実施会場や作るものの内容については、ご希望や予算に応じてアレンジしていただけますので、参考にしてください。

                                        * * * * *

この日の会場は、趣あるたたずまいのびわ湖大津館(旧琵琶湖ホテル)。なんと1934年に建てられ、2000年には大津市指定有形文化財に登録されています。


一般の参加者12名とともに、びわ湖大津館の一室でバラの香りと天然クレイ(微粉末泥)を使った石けん作りをします。こちらが完成見本。うまくできるか、ちょっとどきどきします。


講師の杉江香代子氏(「天然自然社Seisui」代表)。滋賀県各地で人と環境にやさしい自然素材を取り入れたライフスタイルを提案されています。


今日は50gの石けんを1人2個作ります。
【材料:50gの石けん2個ぶん】
・MPグリセリンソープ 50g×2個
・ローズ、リツェアクベバ、コパイバのブレンド精油 ソープ50gに対し各8滴
・好みのクレイ(微粉末泥) ソープ50gに対し各小さじ1杯


【作りかた】
こちらの2色の石けんを例に、作り方を記します(実際は参加者の好みの配色で作れます)。まずはバラ上部のピンク色の石けんを作ります。


MPグリセリンソープ50gを包丁でサイコロ状にカットします。


そのうち10gをビーカーに入れ、レンジで溶かします。


MPグリセリンソープが溶けたら好みのクレイを小さじ1/5杯と、ブレンド精油を2滴加えて、


泡立てないように混ぜ合わせます。この時点で既に華やかな香りが漂っています。


こうしてできた1層目(バラ上部のピンク色)の石けんをバラの形のモールド(型)に流し込みます。


次も同じ要領です。
・先程カットしたMPグリセリンソープの残り(40g)をビーカーに入れ、レンジで溶かす
        ↓
・先程とは別のクレイを選び、小さじ4/5杯を加える
        ↓
・精油を6滴加えて混ぜ合わせる
        ↓
・2層目(バラ下部の茶色)の石けんをモールドに流し込めば、2色の石けんになる

        ↓
・約1時間、モールドごと冷蔵庫に入れて冷やし、石けんが固まるのを待つ
        ↓
・固まった石けんをモールドから取り出す

うまくできてるかな?わくわくする瞬間です。


まるでチョコレートのような見た目の、とっても素敵な石けんが完成です!ちなみに私が作ったこちらのピンク色と茶色の石けん、何のクレイの色かというと……

・ピンク色(先にモールドに流し込んだほう):「デザートローズクレイ」(普通肌、軽い炎症肌、軽い湿疹肌に向くとされる)
・茶色(後からモールドに流し込んだほう):「マリーンファンゴクレイ」(普通肌、老化肌に向くとされる。深海から採れるミネラル豊富なクレイで、しみ・くすみの改善が期待できる)

しばらく飾っておきたくなるかわいさです。

ちなみに2個目の石けんは、こちらの単色のものを作りました。選んだクレイは「グリーンイライト」。毒素排出や消炎効果が期待できるクレイで、普通肌、ニキビ肌に向くそうです。家に帰ってから早速使ってみました。さっぱりとした洗い心地がこれからの季節にぴったりで気に入りました。


他にも敏感肌の人にもやさしい「ホワイトカオリン」、乾燥肌の人に向くとされる「ローズカオリン」等々、自分の肌質に合わせたクレイを使えるとあって、参加者の皆さんは各々楽しみながら作っておられました。

見て良し、匂いで良し、使って良しのオリジナル石けん。大切に使っていきたいです。


                                        * * * * *

石けんが固まるのを待つ間、杉江氏から人の暮らしと琵琶湖についてのお話を聞きました。

杉江氏:「皆さん、『石けん運動』という言葉は聞いたことがありますか?」

・・・・参加者の手がぽつりぽつりと挙がります。

杉江氏:「では、どうして『石けん運動』が起こったのでしょうか?」

・・・・誰かが自信なさげに「赤潮が出たから?」と答えます。石けん運動?赤潮?一体何のことでしょう?

杉江氏:「1977年5月、琵琶湖に悪臭を放つ赤褐色のプランクトン、淡水赤潮が大発生しました。当時の滋賀県は人口増に伴い生活排水も増えていたのですが、下水処理が追いついていない状況でした。琵琶湖には460本もの河川が流入しており、沿岸から直接流入する生活排水、農業排水、産業排水のみならず、これらの河川を通じて周辺の市町村の生活排水、農業排水、産業排水がどんどん流入していきました。これらの排水に含まれる窒素やリン、なかでも合成洗剤に含まれるリンが、赤潮発生の主たる原因であることがわかったのです」
    「この赤潮の発生を契機に消費者団体をはじめとする各種団体など県民が主体となり、リンを含む洗剤の使用をやめ、天然油脂を主原料とした粉石けんを使おうという運動が始まりました。これが『石けん運動』です」

・・・・合成洗剤のために、約40年前の琵琶湖で大変な出来事が起きたのですね。それでは、石けんと合成洗剤では何が違うのでしょうか?

杉江氏:「石けんは天然の油脂とアルカリからできています。自然界で微生物によって分解されやすく、水中に住む生物への影響も、私たちの皮膚への影響も少ないです。一方、合成洗剤の多くは自然界では分解されにくく、生態系への影響が懸念されます」

・・・・私たちの生活に欠かせない石けんと合成洗剤。同じようなものかなと思っていたけれど、実は全く別物なのですね。でも、最近の合成洗剤には「植物生まれ」をうたうものもありますが?

杉江氏:「成分表示を見て、本当に100パーセント植物由来であるかどうか確かめてみましょう。コマーシャルに惑わされず、自分で考え、選択していくことが大切なのです」

これを聞いて、参加者の皆さんはなるほど、我々消費者がもっと賢くならないといけないんだな、とうなずいておられました。他にも、布地を使った実験を通して水と洗剤の違いや、洗剤が汚れを落とす仕組みをわかりやすく教えてくださいました。

考え方やライフスタイルは人それぞれ。でも今日をきっかけに、どんな小さなことでも良いから暮らしと環境のために自分にできることを始めてみませんか、との言葉に考えさせられました。参加者からは「石けん作りがとても楽しかった」「洗剤のことを詳しく知ることができてよかった」「これを機に自分のライフスタイルを見直してみたい」との声が聞かれました。この日の参加者は全員大人でしたが、子どもから大人までどの年代の人が参加しても楽しみながら学べるプログラムでした。

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プログラムの終了後は、会場のびわ湖大津館に隣接するイングリッシュガーデンを散策しました。湖上をわたる爽やかな風や、いたるところに咲き乱れるバラの香りを体いっぱいに感じながら、優雅なひとときを過ごすことができました。


いつもとはちょっと違う環境学習がしてみたいという方、おしゃれな石けん作りを通して今いちど私たちの暮らしと環境について思いを巡らせてみてはいかがですか。

取材:環境学習推進員 布川 恵理