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学習プログラム 取材記録 取材日:2011/10/08
プログラム名 30.自然観察会
プログラム登録者 A0438.滋賀県希望が丘文化公園
目的 公園内の植物や生き物の観察を通じて、自然への関心や自然を大切にする意識を高めます。
10月8日(土)秋の3連休の初日、青空と芝生が美しい希望が丘文化公園青年の城で行われた「第4回希望が丘自然観察会」に参加してきました。

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午前10時 希望が丘文化公園青年の城に、約20名の参加者が集まりました。家族連れや希望が丘文化公園サポーターの皆さんを中心に、キノコ図鑑を持った男の子や、キノコを入れるカゴを持った方もおられます。
挨拶の後、今回の講師の西田富士夫さん(関西菌類談話会)が紹介されました。とても柔らかい雰囲気を持った方です。



最初に、マムシや最近報道されているカエンタケなどの危険な生きものや、キノコの採取方法について話された後、西田さんの案内で、公園南ゲートあたりから歩き始めます。最初は、少し緊張していた様子で園内散策路を歩いていた参加者の皆さんも、慣れてくると徐々に散策路から森へ入り始めます。森に入り、さらに目が慣れてくるにつれて「キノコ見つけた!」「これ何でしょうか?」と声があがり始めます。

■西田さんからキノコについて解説
「キノコは現在5千から6千種位いると言われているが、名前がついているものはその1/3ほどで、まだまだ分かっていないことの方が多い。」
「キノコがいなかったら、この地球はどうなるのかな?キノコは、植物や動物の遺体を分解してくれる森の掃除屋さん。」
「白くなった朽ち木は、木を構成している成分のセルロースとリグニンが分解された跡。赤くなった朽ち木は、セルロースだけが分解された跡。」
「ナメクジもキノコが大好き。かじられたキノコの近くに、ナメクジがいたりする。」

■キノコの森で
道沿いの森を歩きながら、茶色に始まり、黄色、白色、灰色、黒色などカラフルで、形も傘のあるもの、ヒダヒダのもの、団子状のもの、固いもの、柔らかいもの、様々なキノコが見つかります。
ツチグリやホコリタケは、丸い頭を押すと、フワッと胞子が飛び出す様子が子ども達に大人気で、名前もすぐに覚えられていました。(雨粒が当たったり、小枝が当たったりと、刺激があると胞子が飛び出す仕組みのようです)



■キノコのなぜ?
西田さんから「なぜキノコの傘の裏には、ヒダや穴が開いていたり、針のようなものがぶら下がっていたりするのでしょうか?」と問題が出されました。
答えは、「表面積をできるだけ増やして胞子をたくさん飛ばすため」。また胞子は水に弱いため傘の裏側で胞子が守られるようになっているとのことでした。
子どもからは、「キノコはかしこいなぁ」と感嘆の声が出ていました。



■森について
枯れている松の前で、西田さんのお話が始まりました。
昔は森の下草刈りや薪拾いをして燃料に利用していましたが、現代生活になって、薪などを利用しなくなり、腐葉土が森にたまって、キノコが活動しにくい状態にあります。そして1990年代、松材の輸入が増え、マツノマダラカミキリとそのカミキリムシに住んでいるマツノザイセンチュウが持ち込まれました。カミキリムシが松を食べたり、松の幹へ卵を産んだりすると、センチュウが松の中へ入り、松を弱らせてしまいます。森が元気な時は松の根とキノコが協力し、松から栄養をキノコがもらい、キノコから松に栄養を与えています。しかし、キノコが活動しずらくなり、さらにカミキリムシとセンチュウによる攻撃で、松がどんどん枯れていっています。
また、ドングリのなる木も、同じような理由からカシノナガキクイムシによってナラ枯れという現象が起こっています。



■キノコの同定
たくさんのキノコを採取した後、西田さんがキノコの種の同定をしてくださりました。
今年は例年に比べて少ないかもとのことでしたが、それでも約40種ものキノコが同定されました。
見つかったのは、
テングタケ、カバイロツルタケ、シロオニタケ、ヒメキシメジ、サマツモドキ、センボンイチメガサ、ニオイコベニタケ、シロイボカサタケ、クヌギタケ、モリノカレバタケ属(2種)、クリイロカラカサタケ、チョウジチチタケ、ハツタケ、フウセンタケ属(4種)、カワムラフウセンタケ、キイロアセタケ、クロハツ、ウコンクサハツ、ルリハツタケ、チチアワタケ、ヌメリイグチ、カワラタケ(黒色型、茶色型)、アラゲカワラタケ、ヒイロタケ、チャカイガラタケ、シロハカワラタケ、ニッケイタケ、イボタケ、エリマキツチグリ、ホコリタケ、ツチグリ、ハナビラニカワタケ、ホウキタケ属、ノウタケ、コツブタケ、シラタマタケ
並べられたキノコを見て、短い時間で見つかるキノコの多様さに、参加者から驚きの声があがっていました。



■質問コーナー
参加者からの質問に西田さんが答えてくださりました。
Q:一番毒が強いのは?
A:カエンタケは触れただけでも炎症を起こす人がいる。次はドクツルタケかと思う。
Q:大きくて白い丸いキノコは?
A:オニフスベだろう。竹藪のそばに生えることが多い。
Q:キノコの食べられる、食べられないはどうやって分かるの?
A:シイタケやエリンギでも生で食べて中毒を起こす人がいる。また言い伝えの毒キノコの見分け方は全て誤りである。例えば、「鮮やかな色のキノコは毒で、地味な色のキノコは食用」などは、多数の地味な毒キノコがあり、迷信である。
Q:西田さんがキノコを好きになったきっかけは?
A:近江八幡で、ベニテングダケを見たときに面白くなった。

■まとめ
西田さんからは、滋賀は植林の多い京都と比べて、キノコが豊富と聞いていましたが、一同机に並べられたキノコを見て、納得の様子でした。
参加者のお父さんからは、「今年はキノコが少ないと言われていたが、こんなに見つかるなんてびっくり。今回のようなゆったりとした観察会だと参加しやすい」等の声が聞かれました。またある男の子からは、「将来キノコ博士になりたい」とうれしい反応もありました。

■ネイチャークラフト
キノコ観察会の終了後、木片に熱いペンで絵や文字を描くウッドバーニングを行いました。キノコの絵や今日の思い出を描き、ストラップに仕上げたりと、持ち帰りにくいキノコに代わって、よいお土産となっていました。



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■取材者から一言

キノコが趣味というくらいの人だけでなく、キノコってどんな生き物なのかな?と不思議に思った人も気軽に参加できる機会でした。現状の森の問題などもお話しされ、キノコを通して広がる自然の世界を学んだ1日でした。普段食材のシイタケやエノキダケしか知らないキノコ。マツタケは取れませんでしたが、ぜひ皆さんもキノコのおもしろさを体験してみましょう。

環境学習推進員 池田勝