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学習プログラム 取材記録 取材日:2007/05/30
プログラム名 287.いのちを豊かにする料理教室
プログラム登録者 A0707.いのちを豊かにする食の会
目的 大自然と調和して生きるための食材や料理方法を学び、いのちを大切に扱う心や、優しさ、思いやりといった真の愛情を育くむ。
「いのちを豊かにする食の会」の大前洋子さんを講師とする、栗東市の「おっぱいっこクラブ」主催の料理教室を取材してきました。
【本プログラムは、 いのちを豊かにする食の会が依頼に応じて実施しているものです。】

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■□■お母さんとちびっこでいっぱいの教室
 雨のそぼ降る水曜日、母乳育児を楽しむお母さんたちの集まり「おっぱいっこクラブ」主催の料理教室にお邪魔しました。会場の栗東市コミュニティセンター大宝東の和室と調理室には、十数組の親子が集まって、ほんわかあったかい雰囲気です。
 講師は「いのちを豊かにする食の会」の大前洋子さんです。和室でお母さんと子どもたちがエンドウマメをむいている間に、隣の調理室で下準備が進みます。
 用意された食材は、体にも地球にも配慮された、地元で採れた旬の有機栽培の作物や無添加の加工品ばかりです。
          
      こだわりの旬・地場産の有機食材たち

■□■調理実習の始まりです
 豆がむけたところで、みんなが調理室に移動して実習が始まりました。この日のメニューは、「えんどうご飯」「小石揚げ」「キヌサヤの炒り豆腐」の3品です。
 大前さんの指導で、まずは「えんどうご飯」と「小石揚げ」のために、エンドウマメを湯がくところから始まりました。むいたエンドウマメは洗わずに、さっと塩ゆでします。普通はエンドウマメとお米を一緒に炊くことが多いけれど、別に炊いてあわせることで色鮮やかな料亭の味になるのだとか。

■□■お米の洗い方
 今回使ったお米は「五分づき米」。胚芽が残り、蒔くと芽を出す力のあるお米です。「お米一粒ひとつぶが自分の体の細胞一つひとつになると思って大事にしましょう」と、一粒も無駄にしないようざるの中で大切に洗います。一度さっと洗ったあとは、お米をすくい取って、お餅を丸めるかのように両手でこすりあわせて研いでいきます。「おいしくなりますように、いいことがありますように、と思いを込めながら大事に研ぐのよ。お母さんがそうやって冷たい水で大切に洗ってくれているのを見た子どもは、まっすぐ育つようになるのよ。やさしい心を伝えることで、生きているものは変わるの」という先生の言葉に、参加者の皆さんは深くうなずいていました。
 洗ったお米をしばらく水に浸した後、先ほど捨てずにとっておいたエンドウマメのゆで汁と昆布、塩を入れて、ガス炊飯器にセットしました。
          
      お米の洗い方を伝える大前さん

■□■野菜のいのちも大切に
 続いて小石揚げの調理です。ジャガイモとタマネギを1cm角切りにします。「切った野菜を水に放ってはだめ。ケガをして血が流れているのを水につけるようなものよ」と指導があります。参加者がタマネギの頭とおしりをポイと捨てたのを見て、「この頭の緑になった部分は、おひさまを浴びて葉緑素をたくさん持っているところだから、食べないともったいない。おしりのところは、根っこから栄養を吸い上げる力を持っているところだから、ここも大事にね」と、上手な切り方を伝授されました。
 ジャガイモ、タマネギ、少しとっておいたエンドウマメをボウルに入れ、小麦粉をまぶして塩をふり、水を入れて味見します。水は最後に入れることで、衣が無駄なく野菜にからまるのだとか。これを圧搾された国内産の菜種油で揚げます。「サラダ油というのは、サラダ用なの。お野菜の天ぷらにむくのは、こういう薫り高い菜種油」と大前さん。部屋を漂う独特の風味が食欲をそそります。「こんないい香り、はじめて!」と参加者からも驚きの声が上がりました。
     
     菜種油で金色に染まる小石揚げ

■□■本物の調味料が素材の味を引き出す 
 揚げている間に、他の人はキヌサヤの炒り豆腐を調理します。豆腐は植物性のタンパク質。水を切った木綿豆腐をつぶしながらごま油で炒めます。強火で炒めて水気がなくなれば、切ったキヌサヤを入れて、伝統製法のしょうゆと塩で味付けします。炒めているうちに甘くなっていくキヌサヤに火が通れば完成です。
            
     白と緑がきれいなキヌサヤの炒り豆腐づくり

■□■ほぼ2時間で4品が完成
 出来上がった料理をお皿に盛りつけていきます。小石揚げの皿には元気いっぱいのレタスを敷いて。新芽にも芯にも栄養がたっぷりあるから捨てないで食べましょうと大前さん。炊きあがったご飯からは、昆布を除いて、最初にゆでておいたエンドウマメを混ぜます。昆布は刻んでしょうゆと煮詰め、あっという間に佃煮に。キヌサヤの炒り豆腐、ほうじ茶を並べて、ちょうど正午に目にも鮮やかな食卓ができました。
     
     おいしそうな料理が完成!

■□■いただきまーす!
 あちこちから、「おいしい!」「これ、味付け、お塩だけよね? なんでこんなにおいしいの」と声が上がります。
 さっきから待ちきれずにいたちびっこたちも、おいしそうにほおばっています。「この子、いつもはご飯を食べずにおかずばかりなのに、今日はご飯ばっかり食べてる!」と驚くお母さんに、「子どもは正直ね。体にいいものがわかるのよ」と大前さん。
 野菜と穀物だけのメニューなのに、しっかり満足感のあるごはんでした。
          
     おいしいと、みんな満足しています

■□■今日の学びの復習
 最後に、今日の調理について大前さんがお話ししてくださいました。

■ 調味料
 今回の調味料はすべて、こどもに本物の味を知ってほしいと、大前さんが持参されたもの。使ったのは、しょうゆ、塩、菜種油、ごま油の4種類だけです。
 菜種油にはミネラルがたっぷり。香りがよく、クセやアクが野菜の料理によくあいます。
 しょうゆは国内産原料で二年醸造の無添加のもの、塩はにがりの入った自然海塩。味付けはサシスセソというけれど、最初に砂糖を入れてはだめ、砂糖には細胞をゆるめ柔らかくしてしまうので摂取は少なくしましょうとのこと。三歳までの砂糖の摂取を避けることで、上手に砂糖と付き合える体が育ちます。
          
      国内産の菜種油

■ お米
 えんどうご飯には必ず昆布を入れること。そのあと昆布は簡単に佃煮にできるけれど、時間がないならとりあえずしょうゆをかけておくだけでも大丈夫。
 今回は五分づき米を使いましたが、玄米にするなら一口につき100回かむことを勧められました。

■ 野菜
 むいた豆や切った野菜を水で洗わないこと。栄養が逃げてしまいます。
 新鮮な野菜は免疫力を高めます。これから暑くなると、汗がかける水分の多い野菜がたくさん出てきます。旬のものが体にいいので、積極的に採り入れましょうと話されました。
 今回はキヌサヤの炒り豆腐を作りましたが、これは今がお豆の季節だから。小石揚げも同様に、そのときある野菜を使えばいいし、野菜の少ない季節なら豆腐を中心に食べる料理にすればいい、だから材料は何グラム、と決めてしまわない方がいいということです。

■ 肉や魚
 日本人の体には穀物菜食が合っています。できるだけお肉は減らして、穀物や野菜中心の献立を考えましょう。たとえば、ミンチを少し減らして豆腐や高野豆腐を使うという方法もあります。

■ 調理にあたって
 お母さんが楽しみながら、いのちへの愛情を持って料理を作ること。そうすれば、あとは放っておいても子どもはちゃんと育ちます。
 食で手を抜くと、どこかでいのちの埋め合わせしないといけなくなることを覚悟しなければなりません。食は体と心の栄養であり、人間形成、いのちのもと。子どもは小さいからわからないとは思わず、今ちゃんと伝えればこの先の人生を豊かにすることにつながっていくのです。
          
 こんな愛情あふれる大前さんのお話に、みんな大きな拍手を送りました。

■□■ 参加者の感想
 参加された皆さんは、「塩としょうゆだけでこんなにおいしいとは」「料理は手間と素材でおいしくなることがわかった」「食べ物の大切を実感できた」「食の大切さを子どもに伝えるための芯がつかめた」など、大前さんの伝えた「いのちを豊かにする食」に強く共感されたようでした。

【取材者からひとこと】
 作っているとき、食べるとき、片付けるとき、それぞれの場において、いのちに対する大前さんの深い愛情がびんびん伝わってくる料理教室でした。参加者の皆さんが、一つひとつの言葉を染みいるように聞き入っていらっしゃったのがとても印象的で、このお母さんたちに育てられる子どもは幸せだなぁと感じました。声高に「環境」と言うのではなく、いのちの大切さという基本的なことが肌で感じられる教室です。学んだことで、これからの私の食卓も豊かになりそうと、わくわくしながら帰ってきました。
 (環境学習推進員 南村 多津恵)