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学習プログラム 取材記録 取材日:2005/10/05
施設名 多賀町立博物館
URL http://www.town.taga.lg.jp/akebono/museum/index.html
所在地 多賀町大字四手976-2 あけぼのパーク多賀内
TEL 0749-48-2077
FAX 0749-48-8055
e-mail museum@town.taga.lg.jp
事業概要 多賀町立博物館は、滋賀県東部にある多賀町とその周辺の自然や歴史・文化をテーマにした総合博物館です。
博物館は「あけぼのパーク多賀」内にあり、このほかパーク内には図書館と文化財センター、公園があります。
博物館内は、多賀町内で発見された約180万年前のアケボノゾウの全身骨格化石をはじめ、様々な化石や多賀町内に生息している動植物、多賀町内にある洞窟の紹介、本物と同じ作り方で再現された仏像など、多賀町の豊かな自然と歴史から生まれた実物資料を中心とした展示が豊富です。
また、観察会・講座などの事業も随時おこなっています。
★最新イベント情報 → http://www.town.taga.lg.jp/akebono/museum/events.html
 多賀町の「びわ湖東部中核工業団地」の入り口にある瓦屋根の大きな建物が「多賀町立博物館」です。玄関を入ると、すぐ目の前には巨大なアケボノゾウの全身骨格化石が迎えてくれました。多賀町立博物館はアケボノゾウをはじめ、多賀町の様々な自然や歴史を展示している博物館です。
 学芸員の金尾滋史さんにお話をうかがいました。

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       説明してくださった金尾滋史さん

◆入り口にある「アケボノゾウ」がこの博物館のシンボルマークになっていますね。
(金尾さん)多賀町で発見されたアケボノゾウの化石は、全身の約8割がそろっており、日本で最も原型に近い形で発掘されました。そのため、この全身骨格化石によりアケボノゾウという種の体の特徴が明らかになってきました。
 工業団地造成時、この付近でアケボノゾウの化石が発見されたことをきっかけに、博物館設立の構想が持ち上がり、1999年(平成11年)3月に開館しました。ですから、アケボノゾウの全身骨格化石は博物館の目玉になっています。
       
      アケボノゾウの全身骨格化石の前で
      
◆「あけぼのパーク」という名称はこのアケボノゾウから名付けられたのですね。
(金尾さん)この博物館と、文化財センター、図書館の3つの施設を合わせて「あけぼのパーク」という名称で呼んでいます。この名称は一般から公募されたものです。3つの施設のうち、文化財センターは一般公開されていません。
 博物館は、常設展示・企画展示を中心とした展示事業、観察会や講座などの教育・普及事業、住民参加型を重視した調査研究事業、資料や標本を整理し保存する資料収集保存事業という4つの柱を基に運営を行っています。
 
◆何名の学芸員がおられますか。
(金尾さん)専門分野別に、化石・哺乳類の担当、魚類、昆虫類、鳥類などの生き物の担当、歴史・文化財の担当の3名の学芸員がいます。
       
      展示室を案内してくださる金尾さん

◆博物館の展示物にはどんな特徴がありますか。
(金尾さん)博物館の展示の目玉は、180年前のアケボノゾウの化石です。多くの方の努力によって、この化石は発掘されたのですが、その時の様子は館内のビデオで放映されています。
 この他にも展示室に入ると、鈴鹿山地や多賀の里山が再現されたジオラマ、昆虫標本・植物標本からなる多賀の自然の紹介や、フズリナ、三葉虫などの化石の展示、関西最大規模の洞窟「河内の風穴」の紹介、多賀の人々と歴史などの展示があり、様々な所に楽しんでいただけるような仕組みを取り入れています。
 これらの展示物を通して、多賀町とその周辺の自然環境やそこに生きる人々がつちかってきた文化を知ってもらい、フィールドへ目をむけるためのいざないをしています。
       ジオラマゾーン

       化石でみる生き物の歴史

       土田遺跡の土器

◆環境学習の場としてはどのように活用されていますか。
(金尾さん)小学校・中学校・高校の理科・総合学習の時間での利用がこれまでは多くありました。学習内容の組立は、それぞれ教員の方と事前に相談して実施しますが、一般的には野外での講義と展示の見学をそれぞれ30〜40分ずつ行なっています。
 講義の内容や時間については教員の方のご希望にそって決めますが、化石・遺跡・生き物など各分野の何を学びたいのか、テーマや目的を具体的にしてからご相談いただけると私達もより具体的なお手伝いができると思っています。
 また、多賀町内をはじめとする地元の小・中学校へゲストティーチャーとして授業に出かけ、講義や指導をすることもあります。
 博物館には小・中・高校など教育機関、行政、NPOを合わせて年間約100団体、合計約20,000人の方が来館されます。

◆博物館が環境について学ぶ講座を実施されることはありますか。
(金尾さん)博物館の普及・交流事業として年間に自然観察会を6〜7回、また外部講師も含めた講演会を年6回程度実施しています。それぞれの観察会、講演会の内容は博物館で行なわれている企画展・特別展・ギャラリー展等に合わせて、実施しています。
 最近行なった企画展・ギャラリー展としては、地元で作成されたチェンソーアートの展示や町内に生息している魚やカエルなどの水族展示を行ないました。

 また、今年度は夏休みに合わせ、小学4年生から中学3年生までを対象としたサマースクールを実施しました。学芸員の専門に合わせて、化石と水生生物の分野で調査、研究、展示などを行ない、普段より少し専門的な学習を体験してもらいました。今年度の水生生物コースには、3名、化石コースには6名が参加者がありました。
       
      サマースクール水生生物コースで子どもたちが作成した水族展示

 このほか、講演会や講座は、当館の学芸員やそれぞれのテーマに沿った講師をお招きして、最新の研究成果や話題になっている自然関係のお話をしています。
 また、地元の自然について持ち回りで発表を行なう「自然史談話会」を年間2〜3回実施しています。地元で様々な自然に興味がある方や調べておられる方を中心に毎回10〜20名が参加されてます。

◆博物館の学芸員さんに他の地域の公民館や学校で講義をしていただくこともできますか。
(金尾さん)講師派遣依頼も多いのですが、博物館の職員が少ないことから現状として町外へ出かけることは厳しい状況です。極力ご協力はしているのですが、そのような事情もありまして、遠方からの派遣依頼に対してはお応えできない場合があります。
 しかし、博物館へ来館していただき、館内見学や学芸員の話を聞いていただくことは随時おこなっております。どちらの場合もできるだけお早目に博物館までご連絡を頂けるように皆様にはお願いしています。

◆博物館では、今後の環境学習をどのように展開される予定ですか。
(金尾さん)博物館は、普及教育の他に、資料の展示、資料の収集・保管、調査研究といった役割を果たしています。これらはお互いがすべて関係しあっており、それぞれの役割の成果を生かして地域の自然・歴史を利用した環境学習ができるよう、博物館スタッフが知恵を出し合っています。身近にある自然に対しても意外に気がついていない場合などもあるので、そのようなものに私達が「価値付け」を行なって、地域全体へ広めていけるような環境学習をしていきたいと思っています。また、町内の小中学校とも関わりを深めていき、お互いがよくなるような教育環境をつくっていければと考えています。

◆最後に環境学習を企画する人へのアドバイスを。
(金尾さん)環境学習の場として、博物館や大学など専門的な人材がいる施設などへ出向き、学習をする場面も増えてきました。しかし、そのような中には依頼される方が安易に施設や専門家にすべての学習内容を任せてしまうケースがしばしばみられます。あくまで、私達は依頼される方の目的に応じてそれに相応するお手伝いをしているだけで、本来は企画される方が主体となって環境学習を実践されることが望ましいと考えています。
 ですから、最初からすべてを丸投げするのではなく、企画の段階や実践の中で、どうしてもわからないことができてきたときや、専門的な知識や技術が必要なときに博物館や大学のような施設を活用するというように考えていただきたいです。そうすることで私達もより明確なお答えや対応ができると思います。

       
      2階の収蔵庫で魚の標本を示してくださる金尾さん


【取材者からひとこと】
 アケボノゾウを中心に化石や遺跡が展示されている多賀町博物館は規模はさほど大きくはありませんが、古代に思いをはせることができる魅力的な博物館です。
 館内で放映されているビデオテープは、アケボノゾウの化石発掘の様子が丹念にまとめられ、引き込まれる内容でした。
 現在では琵琶湖から離れた位置にある多賀町で、約200万年前の古琵琶湖層がみられることで、琵琶湖の移動が実感できるとともに、アケボノゾウやシカ、・貝・植物などの化石から古代の生物の様子を学習する施設として活用できます。(環境学習推進員 山本 悦子)