滋賀県の大事な湖である琵琶湖は、明治29年に大洪水が発生した。台風・秋雨前線が重なり11日間の降雨量は1008mmにも達した。琵琶湖の水位は+3.76mも上昇し、各地で甚大な被害がもたらされた。当時はまだ瀬田川(南郷)洗堰ができておらず、この洪水をきっかけに、瀬田川の浚渫と洗堰の設置が行われ、明治38年に完成した。これにより琵琶湖周辺の洪水防御、琵琶湖の水位維持、洗堰下流の宇治川、淀川の洪水流量の低減及び流水の正常な機能の維持並びに水道用水や工業用水及び農業用水の供給ができるようになった。
本講座では、琵琶湖の洪水の歴史と瀬田川の浚渫の歴史、明治の大洪水の規模やその影響について、洪水碑の例を挙げて学び、琵琶湖の水の大切さ、瀬田川洗堰の役割について学び、滋賀県、いや日本にとって大事な琵琶湖についての知識を広めてもらうことを目的としています。 |